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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第6章 素直になれなくて……
鏡也君に電話を──あっダメだ!
今日はお得意様と打合せで遅くなるんだった。
じゃヒロちゃんに……もう夕食時だしお店も忙しくなる頃だな~。
ひとりで何とかしなきゃ─
大丈夫。まだ人通りも多いし…いざとなったら大きな声を出せば誰かが助けてくれる。
最後にもう1度だけ確認しよう。
大きく息を吸い込んで──スーハー
よし!…思いきって振り向いた。
「葉瑠ちゃん」キャー。
「あっ、怪しい者じゃないよ…ごめん、ビックリさせちゃったな」
振り向いたらすぐ後ろに人がいてビックリした。
……誰?私の事知ってるの?
もうビックリし過ぎて心臓がバクバク──
どこかで見たことがあるけど…
ヒロちゃんのお店のお客さんかな?
「オレオレ、覚えてない?」
「…!?…だれ?」
アハハやっぱりか?…
「前に佳祐と来ただろ?うちの店に…葉瑠ちゃんの誕生日の日にさ」
へ?誕生日?……佳祐?
あっ藤堂部長のお友達だ……
そんなこと、あったなぁ
確かあの時は─
誕生日に鏡也君と喧嘩して1人で町に出たんだ
そこで偶然部長に会って…
藤堂部長が…祝ってやるって言ってくれて
凄くおしゃれなカクテルバーだったよね!
マスターのえっとえっと……
「翔太」そうそう。翔太さんだ!
Sho-z/Bar─だったっけ?
「すみません大きな声出しちゃって」
「いや俺こそごめん」
翔太さん─人違いだったら恥ずかしいから声掛けれなかったんだって。
「ごめんな怖かったよな」
「いえ、そんなことないですよ」
まだ心臓はバクバクしてるけど、平気な顔して話を合わせることにした…