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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第14章 忙しい時こそ…甘えたい。
そっと玄関を開けると…中から一筋の灯りが洩れてくる……
ん?…物音は聞こえないけど、もしかして起きてたりして……少し空いた隙間から中を覗いてみた。
あっ!ガタンッ、
葉瑠が冷たい廊下で眠ってる。
バカ何やってんだよ……
いくら毛布にくるまったって玄関だぞ、風邪でも引いたらどうすんだよ!
こんなとこで俺を待ってたの?…
そんな葉瑠がいじらしくて切なくて堪らなくなった
良かったよ帰って来て─
毛布ごと葉瑠を抱き上げ寝室へ……
ベッドに葉瑠を寝かせてネクタイを緩めた。
こんなに健気で一途で…可愛すぎだわ…
ごめんな、あんなLINEだけじゃ心配で眠れるわけないよな!
可愛い顔で眠る葉瑠の頬をそっと撫でると
小さく微笑んだように見えた。クスッ、可愛い!
「ぅ、ん…あっ…鏡也君?」 ん?……ギュッ
俺の顔を見ると勢いよく抱きついてきた。
「帰って来ないのかと思った」
ごめんな。
電話しようと思ってたのにバタバタしてて
ブンブン……
「疲れた?」クスッ、うん…疲れた─でもさ
どんなに疲れてても、こうして葉瑠がいるだけで何故か元気になるんだよな……
チュッ……クスッ
チュッ、フフッ
「鏡也君…もう遅いから早く寝なきゃ」
「そうだな、くっ付いていいか?」
ウフッ、うんいいよ。
「私がギュッってしてあげるからゆっくり寝て」
「あ~そうする」ギュッ……
今日はいつもと逆だな。
葉瑠の胸に顔をうずめて大きく息を吸い込んだ。
……スゥ~ハァ~
石鹸のいい香りと葉瑠の鼓動が心地良くて、俺はすぐに深い眠りに落ちていった。