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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第3章 葉瑠は俺んだから……
人の波に押されながらホールを出ると、鏡也君は出口とは逆方向に歩き出した──
「ちょっと挨拶してくるからここで待ってて」
うん、そっか。
さっき演奏してた人達と一緒に仕事したんだっけ。
「ここから動くなよ…すぐ戻って来るから」
はいはい。分かってます!
ロビーには凄い数の人達──
クラシックコンサートなんて誰が行くの?─なんてちょっと思ってたけど……好きな人はいるんだね?
人が多くて見てると目が回りそう!
私は通路の端っこでスマホを弄りながら鏡也君を待っていた…
暫くすると──
「あれ…葉瑠ちゃん?」──へ?あっ。
「やっぱ葉瑠ちゃんだったか?」
「稜さん、どうしたんですか」
振り返るとモデルの稜さんがいる…
ここにいるって事は…稜さんもクラシックなんて興味あるんだ‼
なんか意外。
そう思ってたんだけど……
アハハ、やっぱり?
事務所の社長さんから無理やりチケットを渡されたんだって!
(遊んでばかりいないで教養も身に付けろ)
「酷いだろ?俺、教養あるでしょ?」
───ねぇ葉瑠ちゃん────
私に聞かれても……さぁどうだろ?アハハ
私は社長さんの意見を支持しますけど──
モデルだからもちろんカッコいいんだけど……
ちょっとチャラチャラしてる感は否めないなぁ
「稜さん1人でここに?」
「気になる?」
へ?違いますよ!
ちょっと聞いてみただけなのに…
私が稜さんの事を気にしてるって思われても困っちゃう…
「今日は一人だよ」
「あ~そうですか」
別にどっちでもいいんだけど…