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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第20章 迷子のサンタクロース
「なんだよ葉瑠ちゃん、ニヤニヤして」
「あ、ううん、クスッ……なんでもない」
「葉瑠ちゃんがいないって事は鏡也も来ね~な」
どうだろ?
一応言ってみるよ…1人じゃ可哀想だし
「あの~ところで、ヒロちゃんにちょっと相談が……」
「?…なんだよ、怖いな」うん、あの~
出来ればでいいんだけど……
「今月のバイト代を最後の日に貰えるとありがたいんだけど」
「なんだ、実家に帰る電車代も無いのか?」
「アハハ、そうなの。両親にプレゼントなんて買っちゃったらもうピンチで…」
……大嘘付いちゃった!
ほんとは前借りしたいけど…
さすがにそれは…言えなかった。
そうだ!
ついでに聞いてみようかな。
「…ねぇヒロちゃん!クリスマスとか誕生日とかって何を貰うと嬉しい?」
「は?、なんで……鏡也には買ったんだろ?」
「うん、そうなんだけど…鏡也君にじゃなくて、その…ちょっと気になるって言うか」
参考までに…聞いてみようかな~と思って
「う~ん、俺はなんでも嬉しいけど」
え~!ヒロちゃんも?
だからそれが困るんだって…はぁ~!
私がガッカリしてるのを見て…ヒロちゃんが一生懸命考えてくれるのはありがたいんだけど…
「あっ、俺は、その…マフラーとか嬉しいかも」
それは買ったばっかり。
「じゃネクタイとかベルトとか…」
よくプレゼントされるみたいで使ってない物まであるんだけど…
「そうだ、手編みのセーターなんてのは……」
作れると思う?私に…
「……だな」
はぁ~!
聞いた私がいけなかった。
お財布しか頭になかったから、それ以外の物が思い浮かばないよ…