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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第31章 番外編…かけがえのない人

聞いた話によると支店長は困ってたらしい。
そりゃそうだろ。
札幌支店はそんなに利益が出てるわけじゃない、ギリギリの人数でやっと回してるんだから─

(本社から手伝いに来てるのに、支店は黙って見てるなんて……いいんですかそんな事で)
…そう言って食って掛かったらしい!

しかも、山下がいつも俺の近くに来るから
一緒に札幌へとやってきた本社の同僚からは、あらぬ疑いを掛けられて…いい迷惑

(お前…山下さんと何かあったな?)
(あるわけね~だろ)
(ホントかよ~葉瑠ちゃん妊娠中なんだから遊び過ぎるなよ?)

あのな~冗談やめてくれ!
俺やっば懇親会出るの止めて帰ろうかな?


今日でやっとここから解放されるってのに─
さっきの山下の言葉が気にかかる!

(今日の懇親会参加しますよね?)
(その予定だけど)
(良かった♪)ニコ

なにが良かっただよ。
あ~気が重くなってきた!


──///
「みなさ~ん!タクシーが来るんで、手の空いた人から乗って下さ~い」

「鏡也行くぞ」あ~!

懇親会の会場へ行くため同僚と2人タクシーに乗り込もうとすると…どこにいたのか山下が急に俺の後に続いてきた。

ドンッ、
「おい、危ないだろ」
「あ、あれ山下さん?」
「私も一緒に乗っていいですか?」

いいも何も、もう乗ってんじゃん!
同僚は乗る寸前に山下に押されたもんだから怪訝そうな顔で俺に合図を送ってくる。

〝なんだよ?この女〟
〝知らね~よ、俺のせいじゃね~だろ〟
チッ─

「さあ早く乗って下さい出発しますよ…運転手さんお願いします」

チッ…ジロ。
おいおい勘弁してくれよ!

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