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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第1章 寒くて熱い夜
「んぅ…」やだ、止めて!
クチャクチャ、クチャクチャ
「話、聞く?」
わざと大きい音が鳴るように指を抜き差し…
嫌なのに反応しちゃう自分がヤラしくて嫌になる。
「知らない、ふぅ、んっ、ん」
こうすればすぐ許すと思ったら大間違いなんだから
****
「あの益田さんは東京から来られたんですか?」
へ?
「あ~そうなんですよ…えっと先生、ですか?」
ミニコンサートの準備中に話し掛けてきた女性…
どうやらここの先生らしい──
この先生、なんだか知らないけど、俺に可愛いアピールしながら近付いてくる。
今は昼休み中だろ?
体育館には子供達も大勢いるってのに、なにやってんだよ
───俺、こういうヤツ苦手だわ‼
「ねぇせんせ~‼──ねぇってば」
ほらっ、先生呼ばれてるぞ!返事してやれよ。
チョンチョン───
えっ?、おれ?
俺のスーツを引っ張る奴がいると思ったら、低学年くらいの小さな女の子。
「うん、ねぇ、せんせいは、かのじょいるの?」
いや俺、先生じゃね~し。
しかも彼女がいるかって……
今日は地元の小学校で音楽教室だ。
教室を開くたびにうちの会社の社員も順番で参加するんだけど、今日は俺がその当番。
学校の先生やら指導するプロの皆さんと並んでたから勘違いしたんだな。
するとその先生が─
「理紗ちゃん。いきなり何を聞くの?」
「すみません益田さん」
─追い払おうとその子の腕を掴んでる。
「せんせ、いたい…はなして」
「こらっこの子ったら!みんなと遊んでなさい」
強い口調で言い放った。