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秘恋~ヒメコイ~
第9章 #8
「食べよ」

「はい……いただきます」


ふたりで迎える初めての朝 ──。

「どう?」

「とっても美味しいです。私が作るよりずっと」

「そっか。今度秋月の手料理食べさせてよ」

「私、ヘタですよ……?」

「それでも」

そう言って水沢さんは笑った。



朝食を済ませて、私が洗い物をしている間に、水沢さんは出社の準備をした。

「ごめんな、慌ただしくって」

「いえ、休日出勤お疲れさまです」

「ありがとう」

水沢さんの家まで送っていくという申し出を丁重に断り、私は駅までの道を歩いた。



別れ際 ──。水沢さんは、優しいキスをくれて。

あぁホントに恋人なんだなぁなんて、実感してしまった。




きっと彼とならうまくいくよね……?

そう、自分に言い聞かせた。
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