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秘恋~ヒメコイ~
第4章 #3
「じゃあ、私はこっちだから」

「ああ。またな」


私は頷いて、駅の改札へ歩き出した。



「楓!」



名前を呼ばれて振り返ると、あの頃と同じ、優しい笑顔の圭吾がそこにいた。


「何か困ったことがあったら言えよ!話くらいは聞くから……ひとりで抱え込むなよ?」

「あはは。どうしたの?急に」

「いや……仕事大変そうだしさ。昔から楓はひとりで悩むとこあるから」



「ありがとう……」

── 圭吾。昔もそう言ってくれたことがあったよね。

圭吾は昔から優しい……。




「……また連絡するね」

「ああ」


そうして、私たちは別れた。
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