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秘恋~ヒメコイ~
第4章 #3
元々、直輝の行きつけだったこのお店のオーナーが、お店を手放すことになり、じゃあ自分が引き継ぐと直輝が名乗り出たそうだ。


「その時直輝は仕事も順調だったから、いきなりこの店やるって聞いたときは俺も驚いたよ」

「そうなんだ。直輝……何かあったのかな」



客と親しげに話す直輝をこっそり見つめる。

「………どうだろうな」


圭吾は小さく呟いて、グラスを傾けた。



小一時間ほどして、私と圭吾は店を出た。


結局、直輝が会社を辞めた理由はわからなかった。



本人に聞いて……も、適当にあしらわれちゃうだろうしな……。


……って、なんでこんなに気にしてるんだ、私は。
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