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秘恋~ヒメコイ~
第5章 #4
家まで送るという水沢さんの申し出を丁重にお断りして、私は駅に向かってノロノロと歩いていた ──。



ちゃんと考えなきゃな……。

はぁっとひとつため息をつく。


「楓!」


その時、名前を呼ばれて振り返るとスーツ姿の圭吾がいた。


「今帰り?」

「あーうん。上司とちょっと飲んでて……。圭吾は?」


圭吾と並んで歩き出す。

「瀬戸の店に行った帰り」


「ホントに常連なんだね」


私が小さく笑うと、圭吾が微笑んだ。


「楓…なんかあった?」

「え……?」


圭吾は昔から鋭いところがある。

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