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秘恋~ヒメコイ~
第6章 #5
「ペース速すぎる」

ビールを私の前に置きながら、直輝が言った。


「大丈夫だって」


「今日はちゃんと俺が見てるから大丈夫だよ」


「水沢さんまで…っ!大丈夫ですって!」


……ったく。ふたりして……私いくつだと思ってんの。お酒の飲み方くらいわかってますよーだ。この間はたまたま……そう。たまたまペース乱されただけで……。


悶々としつつも、直輝と水沢さんが話しているのをよそに、私はメニュー表を眺めながら、何を食べようか考えていた。


空きっ腹にビールは危険……っと。


…とりあえず適当に頼んじゃっていいかな。


その時 ───。


「秋月ってどんなやつだった?」


水沢さんの声が聞こえて ──。


「えっ!」


想像以上に大っきな声が出てしまった。
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