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禁断背徳の鎖3・縺れるDestiny-運命-
第6章 遠藤との噂と心配の夜
その女性の言葉に、美紀様は私から目線を外した‥
まるで見たくない‥そう言っているように‥‥
『・・・
紫苑さん、ごめんなさい‥
私やっぱり先に帰るから‥‥』
『倉原さん!?』
私の方に一切振り向きもせず‥店を飛び出してしまった。
美紀様を倉原さんと呼ぶところを見れば、彼女はクラスター本社の社員‥
多分、仕事帰りに飲みに来ていた、美紀様の行動にしては至極珍しい事。
それよりも、置いていかれた彼女も呆然‥
そういう私も、言葉1つ出なかったが‥‥
「なんなの?
せっかくの伊織と2人きりだったのに‥」
そう言って、私に腕を絡めて来た女性を‥‥私はいとも簡単に振り解いていた‥‥
「・・あまり馴れ馴れし過ぎるのも、他の女性に嫉妬するのも好きではありません」
「・・・っ!!」
女性相手だというのに、何時も以上に冷たい言葉‥
理由など分かっている‥いや、その前に1人飛び出した美紀様を追い掛けなくては!
「少々失礼‥‥」
表面上は顔色変えず‥だとは思う‥
だが、心の中は動揺しまくり‥‥
女性2人の間を通り抜け、店から出てから慌てて美紀様を追い掛ける・・
(どっちに!?)
ビルから出て、右か左か??
「・・・っ!」
反射的に、会長のマンションの方角に当たる右を選択‥
少し走って辺りを探せば、路地裏近くに入って行く美紀様の姿が!!
この向こうは行き止まり、そう思い走るスピードを緩め、呼吸を整えてから路地裏へと入る‥
だが私は、美紀様に何を話せば良いのやら・・・
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