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禁断背徳の鎖3・縺れるDestiny-運命-
第6章 遠藤との噂と心配の夜
「遠藤‥‥‥さん‥‥‥」
「・・・冗談です・・・」
一瞬だけ見せた表情を、何時もの強固な意志の力で隠し、遠藤さんは私から離れてしまう‥‥
「私は‥‥‥」
「送ります‥美紀様‥‥」
「いえ、マンションの方に行きますから、1人で大丈夫です」
「・・・
そうですか‥‥」
遠藤さんも、少しバツが悪そうに私から距離を取り、ポケットをゴソゴソ‥
取り出したのは‥‥煙草‥‥遠藤さん煙草吸えたんだ・・
1本咥え火を点け、溜め息混じりのように煙を吹かし‥
本当に私は、今まで遠藤さんの何を見ていたんだろう?
私は‥早乙女会長第1秘書遠藤伊織しか知らない‥
屋敷に居れば殆ど仕事で、プライベートの遠藤さんを見たのは、鹿児島離島のあれ一度きり。
あの時は、あまり違和感は感じなかったけど‥
帰国してから少しだけ、遠藤さんから違和感を感じるようにはなっていた。
それが‥こんな事になるなんて‥
違和感の根本的理由は分からない‥
だけど、こう遊ぶ遠藤さんと関係があるの?
「・・・帰ります‥‥」
煙草を吸って動かない、遠藤さんの脇をすり抜けて、私は表通りへと歩き出す。
此処からなら、マンションまで歩いても5分‥
一瞬ホテルとも思ったけど、遠藤さんもホテルを使うんじゃないか‥そう思ったら、足が勝手にマンションの方に向いた。
これは仕方無いよ‥
少し気持ちの整理を付けないと、本当に遠藤さんと顔を合わせにくい。
毎日顔を合わすんだから、早く整理したい‥
だからこそのマンション選択、これで良いと思う。
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