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禁断背徳の鎖3・縺れるDestiny-運命-
第6章 遠藤との噂と心配の夜



「伊織も辛いね‥
私は伊織の気持ちも、分からない訳ではないのだよ、私とて男だからね‥
誰かを思って‥という訳では無いが、私にも伊織と同じような時期はあった‥‥」


「紀永??」


「まだ20代の頃の話‥
伊織と同じく、バーで女性を誘い一夜の関係‥‥
早乙女として出ると、どうしても女性に一切興味が持てなくてね、普通の女性を求めた‥だがそれも一度きり、一度関係を持った女性には、後は全く興味を持てなくなってしまう、私の中のトラウマかな?」


「でも・・・」


この話を美紀に言うのは初めて‥
私の悪い方の性癖‥‥



「一度きり、それで十分だった‥
それ以上何かを求めた事も、ましてや早乙女としてパーティーや、関連の集まりで女性を求めた事すら無い、逆に嫌悪感すら感じるんだ‥‥
‥‥美紀だけなのだよ、私が此処まで執着し愛おしいと思ったのは・・」


「・・・・・」


「伊織も多分そう‥
子供の頃から女性関係は、とんと聞いた事が無い伊織‥‥
私と同じく、1人に目がいってしまったら、何をしようが離れる事は出来ない、その鬱憤と捌け口が、一夜の関係だったのだろう」


「・・・・・
遠藤さんの事は分かった、私にも身に覚えのある話だから‥
だけど、遠藤さんだとはバレていないけど、社内にまでバーでナンパしている噂が広まっているのは‥‥」


「美紀はその噂を聞いて行ったのかい?」


「そう‥‥
あのバーに、週末だけイケメン男性が女性を誘うのに現れるって‥
私自身は、嘘か本当が確かめる程度の気持ちだったけど、まさか遠藤さんだったなんて‥思わなかった・・」


社内にまで嘘が広まっているのは、流石に不味い‥
伊織だと気付かれたら、大事になってしまう。


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