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禁断背徳の鎖3・縺れるDestiny-運命-
第8章 順風満帆なのだけど‥
「はぁーーーー」
流石に、あの台風のような出現には、大きな溜め息しか出て来ない‥
美紀がまさかあんな行動を取るとは‥‥
(お父さん‥‥か‥‥)
何年振りに言われた?
言われたこっちの方が驚いた。
(・・・
あれは‥高校入学前か‥‥)
実の親子じゃ無いと発覚した日‥
あの時、お父さんお母さんと言って、美紀は初めてあんな風に泣いた。
あの日以来、美紀は呼ばなくなった‥
だと言うのに今頃‥5年振りか?
「・・・
活発なお嬢さんだ‥」
「・・堀之内か‥‥」
「まさか主任の煙草を取り上げて、自分が吸うとは‥」
という事は、堀之内は全て見ていたのか‥
声くらい掛ければいいものを‥‥
「・・・
学生時代‥1年くらいは吸ってたかな?
今は完全に止めている筈」
「筈?」
「一緒に住んでいる訳では無いから、現状は知らん」
「海外留学から1人暮らし‥
独立心旺盛で‥‥」
「色々あったんでな‥
今、美紀がああしているのは‥彼奴のお陰だよ」
「彼奴??」
「いや‥何でも無い‥
家庭内事情‥あまり仕事には持ち込みたくない」
早乙女の方に行ってから美紀は変わった‥
やはり本物の親子、俺と妻ではどうする事も出来なかったというのに‥‥
「主任は家族の事は、殆ど話した事が無い‥
あんな大きなお嬢さんが居る事すら知らなかったくらいだ」
「・・子供が産まれたくらいは言った筈なんだが‥
まだ子会社だったか?」
建て前上で言った言葉だったが、周りは喜んでくれていた‥懐かしい話。
「まあ、あのじゃじゃ馬を頼む堀之内‥
俺では何も出来ん」
「悲観的な‥
親子だろ?」
「親子‥か‥‥
お父さん‥久しぶりに呼ばれたよ」
煙草を吸うのを諦め、部署に戻る為に立ち上がる。
お父さん‥早乙女の方はなんと呼んでいるんだろう‥
そんな事を考えながら・・・
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