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禁断背徳の鎖3・縺れるDestiny-運命-
第8章 順風満帆なのだけど‥
「ちっ‥‥」
俺の隣で高橋が舌打ち、こちらは迷惑だと言うのに、高橋は時々俺の前に現れる。
「暁お前悔しくないか?
あんな新人にチームポストを取られて‥‥」
高橋は、変わらず倉原さんの事を嫌う‥
部長に注意を受けた手前、大っぴらに喧嘩をする事は無くなったが、恨んでいるのは確か。
「俺は別に‥
能力あるのがチームポストに付く‥当たり前の話」
「あんな女の能力など‥
単に騙されているだけだろ、帰国子女という触れ込みにっ‥‥」
「はぁ‥
高橋‥八つ当たりは良いが、俺の仕事遅らせる気?」
「そうそうつもりじゃない‥
悪かったよ」
「・・・・・」
やっと行ってくれた‥
はっきり言って、高橋の八つ当たりは迷惑極まりない。
(どうして倉原さんを目の仇にするんだ‥)
俺はそう思えない‥
初めて見た時から、俺は倉原さんから目を離せないでいる。
隣のデスクだというのに、話せるようになるまで、かなりの日数を要して、漸く普通に話せるようになったら、今度はチームポストで隣は不在。
(もっと倉原さんと話したい‥
それ以上も‥‥)
そう、俺は倉原さんに恋してる‥
美人なのに彼氏無し、高橋以外になら、誰にでも気さくに話し‥‥
俺にも気さくに話してくれる‥
パーティションで仕切られた、ほんの隅だけど、倉原さんは話し掛けてくれるんだ。
(彼氏が居ないなら‥)
もしかしたら、コクったら頷いてくれるかも‥知れない。
今の俺の望みはそれ、だけどなかなか勇気が出ない‥
元来人と話すのが、あまり得意では無い俺は、倉原さんになんて言っていいのやら・・
でも‥コクりたい‥
彼女にしたい、その思いだけは日に日に大きくなっていく・・・
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