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禁断背徳の鎖3・縺れるDestiny-運命-
第3章 早乙女邸で‥
「まさか…
遠藤でも殆ど入れた事は無い‥‥いや、此処に住んでいた頃に数回訪ねて来たか……」
「ずっと此処に?」
「ああ…
早乙女邸に戻るまでは、ずっと此処に住んでいたんだよ」
エレベーターに乗りながら軽い会話…
紀永が1人暮らしをしていた場所かぁ‥ちょっとは気になるかな?
最上階とはいかないまでも、結構上の方…
その一角に紀永が住んでいた部屋があった。
「意外に狭いよ?」
鍵を開けて中へ…
狭いって言うけど、20畳程のワンルーム。
「始めは2部屋だったんだが、いちいち移動が面倒になって、一度だけリフォームした結果がこれ…
随分前に片付けたんだがね・・・」
「・・・・・」
小さなシステムキッチンと、脚の高い食事用に使ってたと思うテーブルと椅子。
窓際に大きめのベッドがあって、後は端末やテレビ、ソファーと必要最低限の物しか無い。
「シンプル・・・」
「元々、あまり物を置くのが好きでは無いんだ…
住んでいた頃は、もう少し物はあったんだが、片付けたと言ったよね、その時に必要無い物は処分してしまった」
屋敷の紀永の私室もシンプルだよ、あまり物を置かないから…
だけど此処は更にシンプル、生活感が無いというか、うーん‥なんて言ったら良いんだろ??
「・・私も此処には久しぶりに来た…
早乙女邸に戻ったのだから、処分しても良かったのに、何故かそんな気にはならず‥‥原点だからか‥此処から始めたからね」
「原点・・・」
紀永でも、そんな思いはあるんだ…
そうだよね、経験が違い過ぎる。
これから始めようとする私と、既に成功した紀永…
この溝は大きい、簡単には埋まってくれないくらいに……
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