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禁断背徳の鎖3・縺れるDestiny-運命-
第12章 美紀&紀永のトラウマ



どうやら今日は誰にも絡まれずに帰れる‥と思ったら甘かった。



「先ほどから1人ね?
このパーティーの参加者は、売り込みに躍起だというのに、貴方は動かないの??」


「・・・さあ・・・」


要注意と言われた大使ではなかったが、雰囲気的に何処かの国の大使‥
官僚や企業側ではなさそうだ。



「貴方は日本の官僚?
それとも企業家??」


「・・どちらでも・・」


のらりくらりと答えをはぐらかし‥
私の何時もの戦法。



「じゃ当てて見ましょうか?
・・・そうね‥企業家の方、そんな目をしているわ」


「そんな目とは?」


「周到に獲物を狙う目‥どの国にターゲットを絞るかと淡々と狙っている・・」


「生憎と、交渉を持ち掛けに来たのでは無いのだかね」


「あら?
珍しく私の感が狂ったかしら??」


鬱陶しい‥そうはっきり言えたら、どれだけ楽な事か‥
こんな風に着飾った女性は嫌悪感しか抱かない。



「・・・さあ・・・」


「煮え切らないわね‥
私が‥オーストリア大使である私が声を掛けてあげているというのに‥‥」


「企業家でも大使でも同じ‥
急いた方が負ける、知らぬ訳でも無いだろう」


「随分な言い草‥
技術力が高い日本だって、売れなければ話にならない‥違うかしら?」


全く‥なかなかに食い下がってくれる。



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