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禁断背徳の鎖3・縺れるDestiny-運命-
第12章 美紀&紀永のトラウマ
「・・・
考えて見れば、アトリエで紀永と2人っきりって凄い久しぶりかも‥」
「そうだね‥
最近はあまり時間が取れないだろう美紀が‥」
「うん・・・
米国から帰国したら、また絵を描こうと思っていたのに、実際はそんな暇も無かったもん」
「仕事なんか始めたらそんなものだよ‥
私だって、落ち着いてから絵を描く事を再開したくらいだからね」
一度止めた絵を描く事‥
もう一度筆を持ったのは、会長就任から数年後の話。
「紀永でさえそうなら、私が絵を描けるようになるのってずっと先‥
仕方無い‥んだよね、仕事優先だし‥‥」
「美紀・・・」
サンドイッチを食べながら、懐かしそうにアトリエを見回す美紀‥
アトリエは2人の思い出の場所、だけど今はどちら共になかなか来る事出来ない。
「今はしょうがないもの、仕事だけで手一杯‥
でも何時かはやりたいな?」
「軌道に乗れば、少しは余裕が付くよ‥
そうしたら考えれば良い、この場所は変わらないのだから」
「そうね‥紀永の言う通り、変わらないもんね」
「ああ・・・」
何時か・・・
美紀にだってそんな日は来る、アトリエはずっと変わらず此処にあるのだから、急ぐ必要なんて一切無い・・・