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禁断背徳の鎖3・縺れるDestiny-運命-
第12章 美紀&紀永のトラウマ
複合機を使うのが遅かったせいで、関連書類を付けてプログラムを上げたのは、定時から1時間半後。
このくらいの残業だったらまあ‥
でも、システム課の社員の殆どは、残業しないで帰宅してしまっていて、今残っているのは数人。
(流石ブラックと無縁な会社・・)
定時終了当たり前、残業?なにそれ状態‥
ずっと定時後に会長室で仕事をしていた私としたら、この時間でも早いと思うのにな。
(普通‥なんだよね‥)
漸く終わって帰り支度をしながら、ついつい考えてしまう。
私の方が普通じゃないのは十分理解してるつもり‥
システム課は私の希望だったけど、それだけじゃ紀永に追い付くなんて無理な話だもん、多少の無茶は必要。
紀永のサポート、これが一番なのは分かっている‥
でも1社員からやらないと後々私が辛い、分からないじゃ済まされないから。
取締役員スタートじゃ、一般が分からないまま‥
それじゃなくても、米国でかなり変則的なやり方をしたんだから、基本からやらないと身に付かない事だってあるんだよ。
さっきの社員証のせいか、ちょっと余計な事を思っちゃった‥
気を取り直して、鞄を肩に掛けてシステム課を出ようとしたら・・・
「倉原君・・・」
「はい、なんでしょうか堀之内部長?」
何故か堀之内部長に呼び止められてしまった。