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禁断背徳の鎖3・縺れるDestiny-運命-
第12章 美紀&紀永のトラウマ



「ごっ‥ご飯美味しかったです、奢って下さりありがとうございました堀之内部長‥
じゃ‥お疲れ様でした!」


倉原君の鞄に入っていた携帯が鳴って、ディスプレイで相手を見た後の彼女の慌てよう。



(彼氏とかだったのか?
それにしても今時ガラケー派か、若いのに珍しい)


世はすっかりスマホ世代、俺でさえスマホだというのに、倉原君はガラケーとは・・


着信は取らなかったが、何処かでかけ直す気満々のよう‥
走って行った先は、社員の駐車場しか無く、つい悪戯心で後を追ってしまった。



殆どの社員が帰った後の駐車場‥
車の台数も少なく、倉原君が向かったのは駐車してある赤のアウディの前。



(倉原君の車か?
アウディとは意外だな、もう少し地味な車だと思っていた)


キーロックのライトが点滅したところを見ると、やはりこの車で合っているらしい。


運転席を開け鞄を置いて、先ほどのガラケーを出しているのを見るからにして、此処で電話をかけ直すみたいだ。



「・・・・
もしもし?
・・・・あっうん、仕事は終わっているんだけど、堀之内部長に夕ご飯奢ってくれるって言われて、今まで付き合っていたの・・・」


予想外に俺の名前をはっきり出している、という事は電話の相手は社内の人間??



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