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禁断背徳の鎖3・縺れるDestiny-運命-
第14章 束の間の正月ーもう1つの転機
(取り残されているのは私の方だ・・・)
会長になってから変化の無い日々‥
美紀が来てから、屋敷内の雰囲気も私も明るくなったが、会長としての私は元のまま。
その間に美紀はどんどん成長していく‥
何時かは私を必要としないほどに‥‥
(・・・
こう考える私は卑怯なのだろう・・・)
じっくりと背中の傷痕に唇を這わせながらも、欲情と共に来る焦燥感‥
留学のように、美紀は飛び立つのだろう‥
私すらも超え、早乙女という柵すら飛び越えて‥‥
「・・・・・・紀永?」
「っっ!?」
私とした事が、思いの方に引き摺られるとは‥
今の美紀は感が良い、私より美紀の方が変化に早く気付く。
「・・・どうしたの紀永?」
クルリと振り向き、私の目を真っ直ぐ見つめる美紀‥
これはあの頃と変わらない。
「いや・・
美紀も大人になったと思ってね」
「背中の事?
・・何時までも後ろ向きじゃ、前に進めないから‥‥でも・・・」
「でも??」
「思いは変わらないよ‥
私は紀永を選んだ、その思いは変わらない、だから私は此処に居るんだもの・・」
「・・・
そうだね・・・」
私より美紀の方が強い‥
悩みながらでも、しっかり前を見据えている‥最近の私に無いものを、美紀は持ちそして前を歩いて行く。
「??
紀永らしく無い‥
自信満々なのが紀永でしょう?」
「私とて人間だよ‥
立ち止まりもすれば考えもする、ただ人より少し成功が早かっただけ、後は普通に居る男と同じなんだ変わりはない‥‥」
「・・・だめだよ・・・」
「美紀??」
美紀の両手が私の頬を挟む・・・