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禁断背徳の鎖3・縺れるDestiny-運命-
第14章 束の間の正月ーもう1つの転機
「そんな後ろ向きは紀永じゃ無い‥
私の知ってる紀永は、そんな事で悩まない‥何時も堂々としていて、私の遥か先に居るのが紀永なんだから」
「どうだろうね‥
今の美紀は軽く私を超えるよ、逆に私が美紀のストッパーになってしまっている‥
米国で培って来た物は伊達じゃない、ある種私を遥かに凌駕している部分もあるくらいだ」
「・・・違う、私は目の前で早乙女会長を見て来たんだよ?
紀永みたいな交渉術や経営学は私には無い、あんな考え私には浮かばない‥」
反射的に美紀の両手首を掴んで、素肌の美紀を抱き締めた・・
「・・・
だとしたら学ぶかい?
私が持つ経営交渉術を‥
この2つなど美紀なら簡単にマスターしてしまうだろう、美紀に足りないのはカリスマ性、そういう私もこれは祖父の受け売りだが‥」
「カリスマ性‥
祖父って前会長??」
「そう、私が会長に就任する前提で、祖父‥前会長は私にそのノウハウを教え込んだ‥
ちょっとした考えの違いなのだよ、覚えてしまえば難しい事じゃない、ただ人が考えない盲点を付いただけ」
「・・・・・」
私の腕の中で美紀は考え込んでしまった‥
まるで18才の頃の美紀のように‥‥
推し量る能力、これも経営交渉術の1つ‥
才能はあるのだ、美紀なら幾らも掛からずに覚える、そう思ったから私は美紀に提案した。
どれくらい美紀は考えていただろうか?
甘い雰囲気の最中だった事を忘れるくらい、美紀は考え漸く顔を上げ私を見る。