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禁断背徳の鎖3・縺れるDestiny-運命-
第14章 束の間の正月ーもう1つの転機



「うそ・・・」


普段階段向こう‥
つまり、屋敷のド真ん中にある階段から向こうは、全く使っていないスペース。


リビングも、私や紀永の部屋も全て階段のこっち側‥
なのに、音が聞こえて来るのって‥向こう側なんだよ。



「と‥‥とりあえず紀永を探そう‥‥」


紀永を探してリビングに紀永の私室‥
だけど、どっちにも紀永は居ない。



「どうしよう‥‥」


はっきり言ってしまえば‥
私はこういうのが苦手、正月中という事もあって、階段向こうは非常灯しか点いていないし‥‥



(た‥たたた確かめる?
引き返す??)


引き返したい気持ちが9割以上‥
だって改装をしていると言ったって、この早乙女邸の建物は古い。


ほら‥‥出てもおかしくないでしょう?



「・・・
料理とお化けは苦手なのよ・・・」


まだ夕方なのに出るの?
でも今までこんな事は無かったじゃない!?


1歩1歩近付くけど、私はまだ階段向こうには行けていない‥
やっぱり嫌だよ‥‥



(こういう時は遠藤さん!・・・・・は居なかったんだ・・・・・)


紀永も居ない、遠藤さんも居ない‥
秘書も従業員も、殆どというか休みなので、ほぼ全員が別棟。


最後の頼みの綱の葉山さんは、正月休みで休暇中なので、やっぱり屋敷には居ない。



「本当に紀永と2人だけ・・・」


その紀永も見当たらないし、この広い屋敷に私1人‥
それって余計に怖くなるでしょう!


また1歩‥そしてもう1歩‥


漸く階段・・・


物音はもう少しだけ先、勇気を出して1歩‥
そう思ったら、無人の筈の部屋の扉がギィ―――っと開いた!?!?



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