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禁断背徳の鎖3・縺れるDestiny-運命-
第23章 一難去ってまた一難ー衝撃本社内!
急いで冷やす物と、同じ階にある自販機からココアを買い、秘書室に戻って来たが‥‥
「・・・・・・・」
キツく手を握り締め、辛そうな顔をしながらも己が力で冷静になろうと努力する美紀様の姿が痛々しい。
表に出ている以上必要な事、それは理解しているが‥
私にもそんな時期はあった、表面上だけでも冷静なふりをしようと努力していたあの頃、事情は違うが今の美紀様は、あの頃の私に似ている。
誰も居ない場所で1人葛藤する姿が・・
「生憎と給湯室のタオル程度しかありませんでしたが、何もしないよりは良いと思います」
「・・あっ‥‥うん・・
それで十分だから、このくらいの青痣だし、数日で消えると思う」
「・・・そうですか・・・」
痣の上にタオルを置きながら思う‥
美紀様はこれ以上の辛い体験をして来た、だからこそ痣を見ただけで、どの程度で治るか冷静に判断していらっしゃると。
「後ココアです、この方が宜しいかと」
「ありがとう‥‥
そうだよね、ずっとココアだった‥
今考えると懐かしい話」
私からココアを受け取り、儚く笑う姿は18才の美紀様を思い出す‥
あの頃もこんな風に、私からココアを受け取っていた‥‥まさかまた同じ顔を見る事になるとは、私が本社に居ながら情けない。