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夜は短し輝け乙女
第4章 危ない関係
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「……ざき!野崎!!」
「ん~~っっ……んっ!?」
先生の声で目が覚める。どうやら放課後に宿題をしていたら寝てしまったようだ。
「野崎!教育実習生に数学教えてもらったらどうだ?」
……え…!?海音に…!?なぜだ……
「野崎のこと話したら、喜んで、って言ってたぞ。数学頑張ってみないか?」
「は…はい」
「そうか。なら良かった。安達くんを呼んでくるよ」
えっ…ほんとに!?どうしたらいいんだ…というか数学意味不明なんだが…
「千裕ー?いるー?」
海音が来た。教室の戸を開けて顔を覗かせている。
「……います」
「おお!じゃあ入るよ」
そう言いながら海音はきっちりと教室の戸を閉めて、私の方へ向かってきた。
「先生に頼まれてさ。数学出来ないんだって?」
「そうですけど」
「俺で良ければ教えるよ」
「結構です」
「えーっ……そんなこと言わないで、ね?」
「………好きにしてください」
「じゃあ教えるよ。わからないところ言ってくれる?」
「全部わかりません」
「それは困ったな。ははは…」
私は気づいてなかった。海音と2人きりだということに。彼の丁寧でわかりやすい説明に引き込まれて、そんなことは頭になかったのだ。
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