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イタズラな満月(フルムーン)
第14章 10th moon…涙
翌朝一番にユトは、ヌエバと一緒に地上へと降り立っていった。

「ユト…?大丈夫か?」
「…大丈夫…ですよ。」

ふっと笑う顔にも、本来の笑みはなかった。ユトが、どういう決断をするか。…ヌエバは予想が付いていた物の、それを敢えて口に出すことさえもなかった。

「そろそろ着くぞ?」
「……」

そうして、ユトは俯いたままジェーナと雅の待つ部屋に入っていく…

「ただいま。」
「お帰り!……?ユト…?」
「ん?…何?」
「…何かあったのかなぁって…勘違いならいいんだけど。」
「…心配しないで良いよ」

そう言うと、2階に向かいパタン…と小さな音と同時にユトは静かに部屋に入った。

「ヌエバ、……何があった?」
「…あぁ。」
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