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イタズラな満月(フルムーン)
第15章 11th moon…光
そのユトの思いかけない告白に雅は瞬間的に戸惑った。

「あの…でも…」
「解ってる…解ってるよ…」

言葉とは裏腹にユトは抱き締める腕を緩めることが出来ずにいた。そんなユトの体を半ば強引に押し戻した雅は俯いたまま小さく呟く様に切り出した。

「ズルいよ…ユト…」
「アリス?」
「ほらまた!…こんな時に…じゃなくて。…何で今なの?」
「…ッ」
「何で…色んな大事なこと…ッッ全部まとめて今なのよ…」

ポタリ…涙がこぼれ落ちる。すがるように…しかし、ユトの前に崩れ落ちるように雅は座り込んでしまった。

「アリス?」
「…ッヒック…ッッ」

少し戸惑いながらもユトも座り頬を包み込むように左頬を撫でる。

「…諦めなきゃって…ずっと…」
「…何を?」
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