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第17章 last moon…優しき輪廻

その場に座り込み泣きだした雅。嗚咽を繰り返す雅の元に、ジェーナがカタリ…と戸を開けて出てきた。

「アリス…どうした？」
「ジェー…ナ…っ」
「…」

無言のままそっと抱き寄せたジェーナは背中をさすったまま泣きじゃくる雅を宥めた。

「…ユトが…ユトが…ぁ！」
「アリス…」
「ユトが…行っちゃった…何で…ずっと居てくれるって…ずっと…」
「アリス…」
「なんでよ…ぉ！」

叫びにも似た様子でジェーナの腕の中に泣き崩れた雅。別れが来ることは解っていた。だけどあまりにも突然すぎる別れだったせいか止まらなくなったのだ。

「…アリス、責めないでやってくれないか？ユトのことを…」
「ジェーナは…会えるかも知れないから良いけど！」
「私ももう会えやしない。」