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第6章 夏―2

だんだん、イライラしてくる

気持ちが抑えられなくなり、立ち上がり直樹を睨んでしまう

今すぐにでも、平手打ちしたいのを我慢している

手を伸ばせば、叩ける位置にいる


今も、夢に出てくる

殺したのは私。。。

蓮や陸を見ていたら、殺した命の重さを何度も思い知ったわ。。。

そういう出来事を、嘘をつくって。。。？

許せない。。。

私には、ひどいこと言ってたくせに、本当の娘じゃないくせに、言えないのっ？


詩織っ？


最期の本当の娘じゃないのにって言う前に口をふさがれた。。。


優しいキスは、私の頭を固定して離してくれない。。。


後ろから、体ごと、引っ張られて抱きしめられる


ふざけるなっ？


誠の腕の中にいる私の頭の上から、誠が怒鳴る声が聞こえる


ああ。。。私、直樹にキスされたんだ。。。

多分、茉莉に聞かせたくなかったんだろう

殴れば、良かったのに。。。？

誠に、ギュッと抱きついていく


詩織、帰るよ？


茉莉を見る

茉莉は、下を向いていた

私は、体ごと捕まれて、車に乗せられていく

怒っている誠の横顔を見る

黙ったまま、車が動いていく


まこちゃん。。。？


黙ったままだ


怒った？


車が停まり、私を見る


怒らないと思う？


っ。。。私が余計なことを言ったから？


違う。。。詩織の気持ちはわかるよ。。。？

髪を撫でていく


少し、言い過ぎた？


茉莉ちゃんは、まだ子供なんだよ？

言い方、他にあったはずだよ？


っ。。。ごめんなさい。。。


アイツがキスしなかったら、茉莉ちゃんに、ひどいこと言って、後悔してたよ？

出来れば、キスして止めるのは、俺がしたかった。。。


唇を指がなぞる


っ。。。まこちゃん。。。？


唇が重なり、優しく激しくキスしてくる


何度も上書きしても、奪われるんだな。。。？


唇が離れると、悲しげに見ている


っ。。。ごめんなさい。。。

私、どうしても、許せなくて。。。


今も、夢に見るの？


っ。。。時々。。。

夏が近づいてくると。。。


そう。。。


ギュッと抱きしめてくれる


そういう時は、俺に言え？

わかった？


っ。。。ハイ。。。