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第6章 夏―2

茉莉？

茉莉ってば？


ふいに、呼ばれて現実に戻った

隣のお母さんを見ると、お母さんらしくない、泣き出しそうな顔だ。。。

私のせいだ。。。

妊娠しているなんて、嘘をついたから詩織は怒り出した

前に、蓮がお父さんに別れた理由を聞いていたのに。。。

詩織がお父さんの子供を妊娠して、流産した話

詩織は怒り、私に何か言おうとしたのを、お父さんが止めた

詩織とお父さんのことは、何も感じないと思っていたのに、いざ、目の前で起きたらショックだった


お父さんが詩織の頭を固定して、キスしていた


詩織を止める方法なら、他にもあったはずだ


殴ればよかったのに。。。


部屋を出る詩織がポツリとつぶやいた言葉に、お父さんは悲しそうな目で、見ていた

この二人は、どうして結婚しなかったんだろう。。。

たくさんの人を傷つけてまで、惹かれて離れない。。。


お母さん、ごめんなさい。。。

私、うまく言えなくて。。。？


いいのよ、茉莉が出来ることはやってくれたから


お父さんを見る

唇の端に、詩織のグロスがついている


ゆり。。。？

アイツと何を話してきた？

戻ってくるのが遅かったよな？


今度の土曜日に茉莉の本当の父親に会いに連れて行ってほしいって頼んだの。。。

やっぱり、本当の父親にも会いたいって言うから。。。？


お母さんが私を見る


っ。。。わかった。。。

じゃあ、俺も親子で過ごすから？


え。。。？


嫁と子供を交換するなら、行っていいよ。。。

アイツに聞いて？

詩織と陸と、ゆりと茉莉と、交換な？


お父さんっ？


俺は、茉莉のことも父親として接して来たはずだよ

これからも、変わらない

だから、婿にもらうことで解決したいんだ

だけど、ゆりと茉莉が本当の父親を求めるなら、話は別だ。。。

よく、考えろ。。。？


ハイ。。。


お母さんを見ると、顔が固まっていて怖い。。。

小学生の頃から、お母さんが嫌いだった

いつも、綺麗なお母さん

ブランド品を持って、自慢気にしていた

友達ができなくて、辛かった