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第7章 夏―2.5

詩織、出かけるから準備して？


どこに、行くの？


秘密。。。

早く？


着替えて、化粧して出かける用意をしていく

車のドアを開いて、私を見る


どうぞ？


ちらっと見ると、車の中は綺麗に掃除されていて、カバーも座布団も変わっている


赤いピアスは、どうしたの？

返したの？


今、聞くのかよ？


何となく、気になったから？


封筒に入れて、茉莉ちゃんに渡してって陸に頼んだ

逢ってたりしたら、嫌だろ？


うん。。。


早く乗れよ？

全部、変えたんだから、もう、いいだろ？


っ。。。イヤ。。。

やっぱり、イヤ。。。


また、わがまま言う。。。

もう、いい。。。


え？


無理やり、私を押し込んで座らせて、ロックしていく


ようやく、座らせられた


シートベルトをして、頭をポンポンしてくる


聞き分けのないこと、言うなよ？

子供じゃないだろ？


甘い匂い。。。


しないだろ？


違う甘い匂いがする。。。


だから、芳香剤だろ？


この匂いは、好きよ？

ふふっ


もう、詩織には振り回されっぱなしなんだけど？

まいったよ。。。


髪を撫でて抱きしめられていく


ホテル、行こう？


っ。。。


イヤ？


イヤじゃない。。。


愛してあげたい。。。

行こう？


平日のラブホテルは、怪しいカップルが多い

明らかに、不倫ぽい人や学校をさぼった高校生カップル

見ないように、誠に手を引かれていく

部屋を選ぶパネルの近くから、聞き覚えのある声がする

誠の手をギュッと握ると、誠も気づいたようで、立ち止まる

少しずつ、近づいていくと、今日、私と約束していたはずの男がいた


何だ。。。やっぱり、私じゃなくてもいいんじゃない

あの女は、誰だろう？

ゆりではないみたいだ

直樹と、楽しそうに部屋を選ぶ女は、20歳くらいかな。。。？

若い。。。


二人は、なかなか部屋をきめないでイチャイチャしている

私の手を引いて、誠が近づいていく


まだ、決まらないなら先に決めてもいいか？


誠が直樹に話していく


詩織。。。？


私に近づいてくる直樹を見ると、気まづくなり下を向くと、覗きこんでくる


誠が私を引き寄せてパネルを見て押していくのが見える