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月光の誘惑《番外編》
第3章 月に臨み、月を望む。

「ひゃ、あ……」

 どくん、と飛び出た精液があかりの指を汚す。白濁液があかりの手から零れて、太腿に落ちる。
 射精を止められないまま、太腿や腹に、何度も何度も精液が飛び散る。

 ……最悪だ。
 挿れる前に、出してしまった。最悪だ。最低だ。
 何で、出してんの、俺。
 バカなの? 何で我慢できないの?

「ご、ごめん、あかりっ! ティッシュを!」
「ん、おいし」
「な、な、舐めっ!?」

 指や手についた精液を、あかりが舐め取る。白く濁った俺の欲望を、赤い舌がペロリと。

「あ、やだ、拭かないで」
「だって、汚して……」

 太腿や腹に出てしまった精液をティッシュで拭き取ると、あかりが睨んでくる。何で怒ってるのかわからないけど、その顔もかわいいなぁ。
 ……じゃなくて。

「ごめん、我慢しすぎて」
「そっか、我慢させていたんだね、私こそ気づかなくてごめんね?」
「あかりが謝ることじゃなくて――」
「次は中に出して」

 あ、ダメだ。
 落ちた、と思った。堕ちた、と。
 恋に落ちた。手中に堕ちた。
 妖艶に微笑むのは、天使か悪魔か。
 あかりは、勝手にイッた俺を責めることなく「次」をねだったのだ。

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