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月光の誘惑《番外編》
第1章 月下の桜(一)

一緒にシャワーを浴びて、フェラをしてもらって、初めて……飲んでもらって。
アダルト番組を見ながら「どの体位が好きか」話していたら、いつの間にか彼女を後ろから犯していて。
夜食を食べたあと、じっくり前戯をして、ゆっくり交わって、二人で果てた。
溺れそう、どころか、俺はあかりさんの体にすっかり溺れている。精液が搾り取られる感覚は、病みつきになる。
目が覚めたとき、俺の腕枕ですやすや眠っているあかりさんを見て、ホッとした。本当に安心した。
あぁ、夢ではなかったのだ、と。
由加と初めてセックスをしたときでさえ、こんな気持ちにはならなかった。そもそも、一回して終わりだったと記憶している。……そんなに詳しくは覚えていない。
もう、終わったことだ。
「……」
アラームをセットして充電器に繋いだままの、赤いスマートフォンの通知ランプが点滅している。
一瞬だけ迷ったが、指をスライドさせて、現れたメッセージのポップアップを読む。
『スマホに変えたの? 今日と明日はどうす』
簡素なメッセージ。宮野。【セ】の人か?
今日と明日はどうする? そういう誘いだろう。
俺と出会わなければ、あかりさんは彼と会っていたのだろう。会って、キスをして、セックスをして……そういう人だ。行為自体やセフレが複数人いることに、罪悪感なんて感じない、性欲の人。
まぁ、そのほうが後腐れなく別れることができる。それは、あかりさんの考えでもある。間違いではないと思う。
俺にとっても、とても都合がいい、人。

