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月光の誘惑《番外編》
第2章 月下の桜(二)
「んっ、あ、やっ」
あかりがぎゅうと抱きついてくる。足を俺の腰に絡め、落ちないようにしっかりしがみついている。
その、熱も重さも、愛しい。
あかりの腰を支えながら、深く繋がれたことに安堵する。耳元で聞こえる嬌声に、意識がとろけそうになる。
腰を動かせば体力は一気に奪われていくけれど、それすら気持ちいい。
不安定な交わりは、安定を求めてお互いを強く結びつけるだけ。
「だ、め、ふかっ、んんっ」
「奥、当たるね。気持ちい?」
「ん、いいっ」
なら、よかった。
イルミネーションは今日、明日までのものだ。
刹那的な幻想の中で、好きな女を抱くことができる歓びを、好きな女が自分を求める悦びを、最大限に感じたい。
ぐちゅぐちゅという卑猥な音と、布と肉が擦れる音、二人の荒い息づかいだけが響く。
深く繋がってはいるものの、体位と体力的に抽挿は浅くなる。けれど、奥に何度も何度も亀頭が擦れて、否応なしに射精感が高められてくる。
……果てたい。
一番奥に、熱くて真っ白な精液を吐き出して、冷たくどす黒い欲望であかりを汚したい。
汚して、捕らえて、閉じ込めておきたい。
そんな邪な願いを抱く。
でも、残念ながら、サンタクロースは年に何度も願いを叶えてくれはしない。あかりと出会えたことが今年のクリスマスプレゼントなら、もう来年まで贈り物はないはずだ。
シャツが汗で張り付いて気持ち悪い。暖房なんか必要ないくらい、熱い。