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月光の誘惑《番外編》
第2章 月下の桜(二)
「翔吾」
「はい」
カチリ、視線が合う。
その澄んだ瞳に、俺の欲にまみれた顔を映して。
あかりは顔を赤らめながら、唇を動かした。
『クリスマスプレゼントは、ただ一言、あかりの言葉が欲しい』
今夜だけは、俺の手に堕ちてきてよ、綺麗なお月様。
「あ、……あいしてる」
真っ赤になったあかりから零れた言葉を耳に刻みつけて、俺はその柔らかい唇を優しく塞ぐ。
夜は長い。
何度も何度も昇り詰めさせてあげる。
欲を吐き出して、あかりの中を俺で満たしてあげるから。
優しい嘘をついて、俺を騙し続けて――。