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六月のセイリング
第1章 読み切り短編
ゆっくりと、じらせばじらすほど。
気持ちは高まり、期待と興奮が走り出す。
性行為にはきっと、手技など必要ないんだ。
―――そう。
何事も、想像力の問題なのだから。
イマジネーションがなければ、ファンタジーの世界へ入れない。
現実を忘れなければ、官能の扉は開かれない。
互いの身体のサインに集中して。
言葉にならない気持ちと信号を、上手に送りあって、汲み取りあって。
リアルとフェイクが入り乱れ、いつでもあてにならない言葉をやりとりするよりも、
こうして肌を合わせ、身体を重ねるほうがよほど、
気持ちを素直に表現できる。受け取れる。
大好きだよ。