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belle lumiere 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第5章 聖夜の恋人
縣は振り袖姿の光が転ばないように、しっかりと手を握りながら足早に廊下を駆け抜ける。
長い廊下を抜け、玄関ホールまで辿り着くとそこには、梨央と綾香が待ち構えていた。
梨央は二人を見るなり駆け寄り、感極まったかのように涙ぐむ。
そして光の手を握りしめた。
「…光お姉様、おめでとうございます。…縣様と相思相愛でいらしたのね。良かったわ…本当に…自分のことのように嬉しいわ」
「ありがとう、梨央さん…」
光は恥ずかしそうに…しかし幸せそうに頬を染め、笑った。
こんなにもあどけないほどの素直な美しさに満ちている光は初めて見たと梨央は思った。
「縣様…光お姉様をどうかよろしくお願いいたします。私の大切なお姉様です」
縣は梨央を優しく見下ろし、頷く。
そして、光を改めて抱きしめると臆面もなく言った。
「ええ、お任せください。光さんを必ず幸せにします。ようやく手に入れた…私の愛しい姫君ですから…」
恥じらいから目を伏せる光を縣は愛しげに見つめる。
梨央は大好きな二人の愛に満ちた光景に胸が一杯になる。
綾香が戯けたようにウィンクする。
「お熱いお二人のお邪魔はしたくないけれど、麻宮の叔父様が追いかけていらっしゃる前にここから出られた方が良いのじゃないかしら?」
「…そうだ。後ほどきちんとお詫びしに伺うつもりだが、今は誰にも邪魔をされたくない。…君との時間を…やっと二人きりになれるのだから…」
そう言って再び、光を愛しくて堪らないような熱い眼差しで見つめた。
「…縣さん…私もよ…」
いつまでも愛を語らう美しい恋人同士を、綾香と梨央は玄関から外に押しやる。
「さあ、早くここから逃げて。あとは私達が引き受けるわ」
「光お姉様、とても綺麗よ!」
二人に声をかけられながら、縣と光はフォードに乗り込む。
光はきらきらと眩いばかりの笑顔を残して、縣の巧みな運転捌きの車と共にあっと言う間に北白川邸を後にしたのだった。

二人を乗せた車を見送りながら、梨央は綾香に抱きつく。
「…私、幸せよ。縣様がやっと運命の方に巡り会えたのだもの。しかも光お姉様と…!」
綾香は梨央の髪を優しく撫でながら呟く。
「…意外性のカップルよね。でも、愛はドラマチックな方がいいわ」
そうして、残された恋人同士もまた甘いくちづけを交わし合うのであった。
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