この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
belle lumiere 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第5章 聖夜の恋人
縣は光に優しい兄のようなキスを与えると、そのまま横抱きに抱き上げ、長い脚で大股に部屋を横切る。
「…本当は君のために美しい薔薇を溢れるほど寝台に用意したかったよ。…今夜は私達の初夜だからね」
成熟した男の色気が滲む声と表情を間近に感じ、光は恥ずかしさの余り、縣の首筋にしがみつく。
奥の部屋は縣の寝室だ。
ガレのランプがサイドテーブルで暖かく輝く。
落ち着いた濃い琥珀色で統一されたカーテンと絨毯、壁紙…そして、寝台はキングスサイズの濃いチョコレート色のマホガニーの重厚なアンティークベッドであった。
ヘッドボートには繊細な装飾が施されている。
…このベッドで縣さんは毎晩寝むのね…。
清潔に一分の隙もなくベッドメイキングされた寝台を見て、光は緊張のあまり胸が苦しいほど高鳴るのを感じた。
そっと寝台の縁に光を降ろす。
いつになく硬い表情の光の頬を指先で優しく触れる。
「…緊張しているの?」
光は首を振り、強がる。
「…そんな…処女でもないのに…」
縣は苦しげに眉を寄せ、光の顎を持ち上げる。
「…私は寛大な男だと自負していたが、君に関しては違うようだ。私は意外に嫉妬深いらしい」
「…え?」
不意に光の身体はスプリングの効いた広い寝台に押し倒されていた。
紅い牡丹模様の振り袖が白いリネンのキャンバスの上に妖しく散る。
縣が体重をかけないように、しかし光を離さないようにのしかかる。
「…月城には恩が出来たが…今思い出した。…浅間山の私の馬場で、君達に少しアバンチュールがあったらしい事を…」
縣の真剣に拗ねる少年のような顔に光は愛しげに手を伸ばす。
「…私も忘れていた遠い想い出だわ…」
縣は光の小さな顔を掴み、苦々しく呟き唇を奪う。
「…その話はあとでゆっくり聞こう。今は私以外の男のことを考えないでくれ」
「…あ…んん…っ…!」
「光さん…!ようやく、私だけのものになるのだね…」
光の柔らかい薔薇の蕾のような唇を奪い続け、白く輝く真珠の粒のような歯列を割り、滑らかな舌を強引に引き寄せ絡める。
「…んん…っ…あ…っ!」
「…光さん…」
くちづけを繰り返しながら、金襴緞子の豪奢な帯を器用に解いてゆく。
それに続き、綸子縮緬の振り袖も縣の手にかかる。
衣摺れの音とくちづけの濡れた音だけが部屋に響く。
光は陶酔と羞恥に目を潤ませる。
あっと言う間に光は白絹の襦袢姿にされてしまう。




/133ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ