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愛憎
第17章 課せられた試練
「その第一弾として、萌ちゃんと勉強が出来るようになること!」

ゆうは言う。

「…へっ?」

誠は言う。

「今ね、あんたが朝やってたことのせいで、めちゃくちゃ萌ちゃんの成績下がってんの。知ってる?」

優衣子が言う。

「ごめん、そんな事、俺…」

誠は俯く。

「まず、あなたの復習ノート見せるようにしなさい。
いつも、ノート見させて貰ってるけど、すっごい良く書かれてる。
萌ちゃんも勉強になると思うわ。」

「で、でも、多分俺の信頼なんか地に落ちて…」

「断れても断れてもやりなさい!あなたが萌ちゃんに申し訳ないって思う気持ちとか、自分の事を見て欲しいって思うんなら!」

ゆうは強く言う。

「昔の歌謡曲でもそんな曲あったのよ…」

「100万本の薔薇と、ノートじゃ全然価値が違うけどね」

にししと、優衣子は笑う。

「つぅか、俺その曲しらな…」

と言った所、パチンとゆうは誠の頭を叩く。

「でも、そうやって積み重ねて行って、あなたも萌ちゃんも良い高校生活が送れるかもしれないわよ?
そう言う思い出は一生モノなんだから」

ゆうは、今日、初めて朗らかに笑った。
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