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愛憎
第17章 課せられた試練
「で、でも、俺今萌にマジ合わせる顔ない…」

誠は本当に自信がなかった。


その言葉にゆうは

「あーー!!もぉぉぉ!!!」

と言う。

「あなたが小さい頃、私に萌ちゃんが泣いてるのを何回も聞いてきたでしょ?」

そう言えば…可愛いあの子がなんで泣いてるか…その事が気掛かりで、しんどい体を引きずって萌を探したっけ…。

誠は昔、萌と出会った時の頃の事を思い出す。


「私、あなたが冒険に行くの、いっつもげんなりしてたけどね。
萌ちゃんかっさらって来た時のあなた、ほんっと感動したのよ!」

「萌ちゃんのお父さんも何回もお前にありがとうって言っててな」

健太は懐かしむ顔で微笑む。

「…おじさんが?」

「そう。亡くなるまで、俺に言って来たんだよ。
元気にさせてくれてありがとう。
辛い気持ちから立ち直らせてくれてありがとうって。
お前、そうやって、人の心を救った事があるんだよ」

「あんた今はひねくれてっけどさ。それでも、さっき、すぐさまごめんなさいって、素直に謝ったっしょ?
昔のあんたを見てるみたいだったよ」

優衣子も優しげな顔になる。

誠は泣きそうな表情になりながらも

「俺、頑張ってみる。」

そう言った。
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