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愛憎
第18章 奮起
(まっさか、この時間帯に乗らねーよな?)

そんな事を思っていると、見覚えのある顔。

…半年の間に、綺麗になってしまった、小さな頃からの幼馴染。

(はぁ…まさか乗るなんて…)

そんな事を思いながらただただ、美しくなった萌に見惚れていた。

(あぁ!!アルバイト!!)

そう気付き、また、昨日買った雑誌を読もうとする。

しかし、意識が萌の方にどうしても向いてしまう。


ピクッ!

萌が体を震わせた。

(ど、どうしたんだ?)

良く見ると、萌の尻を揉んでる中年の男性がいる。

萌は必死に腕を振り払っている。

(くそ!嫌だ!!)

自分の目の前で他のやつに萌を触らせたくない!!

そう思い、人をかき分け、やっと萌の元へ。

(大騒ぎしたいところだが、ここは静かに…)

力一杯に中年の男性の腕を思いっきり振り払い、中年の男性の間に割り込む。
誠は萌の後ろを向き、尻と尻が当たるか当たらないかの間隔を開け、また雑誌を読み始めた。

(もう、萌にはあんな気持ちにさせたくない…)

誠はほぼ毎日、これが毎日の習慣になると言う事を、その時は思ってはいなかった…。
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