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愛憎
第18章 奮起
昼休み、職員室に来た誠は、ゆうがいるか確認しに来た。

(あ…メシ食ってる…出直そうかな?)

そう思っていると、丁度通り掛かった副担任の英語教諭が

「お?なんだ、川中。誰かに用事が?」
と聞いて来た。

「ゆう先生に用事なんですけど…昼食べてるみたいだし、出直します」

「いや、もうちょいで食い終わる筈だから呼ぶよ?」

「じゃあ、よろしくお願いします。」

誠は言った所、英語教諭はゆうの元に行き、

「来てもいいって!」

と、叫んだ。


おずおず、

「失礼します…」

そう言う誠に、ゆうは、

「どしたのー?」

と、能天気そうに聞いてくる。

(昨日の険しい顔とは別人だ…)

そう思いながら

「萌…高橋の今迄の順位教えて欲しいんだけど」

と聞いた。

隣にいた英語教諭が

「なんでそんなの知りたいんだ」
と言いたげな表情をしているのを見たゆうは
誠の肩を押し、


「こっち来て」

と言う。


廊下まで出たゆうは

「なんだー、朝の堪えて来たのかと思ったー」

と、あっけらかんと言った。


「え、見てたの?」

と言うか誠に

「うん、ばっちり」

とニコリと笑う。


その笑顔が恐しく見えた誠は

「全然堪えてねーよ。てか、そうやられて当たり前だと思ってたし。」

と言った。

「お?強気発言来たねー」

ゆうは先ほどの笑顔とは違うニコニコした笑顔になる。

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