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愛憎
第13章 怒り
昼休み、次の時間スレスレに戻って来た萌。

その頃にはバイブレーションもまた、弱になっていた。

まだまだローターには慣れないが、1時間、ローターの強を味わされた萌は、考える頭の余裕が出て来た。

(そもそも、私の学校の学ラン…。
あと、疑いたくはないけど…あの筆跡…。
昼間、呼び出し直後にバイブレーションが強になったこと…
やっぱり…)


ある人物の方へと目を向ける。



その人物は二番目の窓際の席で、先生の話をじっくり聴いているようだ。

誰が痴漢か…なんてことは、散々快楽に溺れさせられた手前、考えてもあまり意味がない事の様な気がするが、ある人物だと仮定すると、何か意味がある様な気がする。

(私が自惚れてる訳じゃないけど、もしそうなら…。
ホント馬鹿っ!
馬鹿過ぎる!!)


バイブレーションに充てられて、悶々とする萌に比べ、悠々と授業を受けるあいつ。

一つの事に怒りを感じるとまるで伝染するかのようにビリビリと怒りが燃えてくる。




(だって、いきなり線引いたんじゃん…。
私から離れようとしたんじゃん…。
なんで今になって、こんな事するの…?)


萌もある人物に言いたい事が山ほどあった。

(どうしたら、あいつペースに巻き込まれないで、話をする事が出来るんだろ…
あいつが痴漢モードに入ると、私、従順になっちゃうんだもの…。)

口調まで変えてきやがって。
全然気が付かなかったじゃんか。


萌はその時間帯の授業も、先生の話を聞かずに悶々と考えていた。
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