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愛憎
第13章 怒り
(放課後になってしまった…)

答えが全然出て来ない。

でも、今、行かなければいけない様な気がした。


「あうっ!」

バイブレーションがまた強くなっている。

萌は、吹奏楽部を休み、朝約束をした時刻の電車に間に合うように下校した。


バイブレーションの刺激に耐えながら、電車を待つ。

今までは電車を見る度に蜜が出て来たが、同じ最寄駅の筈…
プラットホームにはあいつの姿が見えない。

また、人もいないようで

(ホントに来るのかな…)
と、思っていた。


約束の時間の電車が入ってくる。

やっぱり、あいつの姿は見えない。

でも、萌はいつもの一番前の車両、窓際の所で待機する事にした。




電車に入ると、アナウンスが流れ、電車が動き出す。


やっぱり
フワリ…と、首元に包まれる腕。

「萌ちゃん、今日は頑張ってくれたかな…?」

耳元で言われる吐息混じりの声に、ビクッとしながらも

先ほどインターネットで見て、頭の中でこうしてああしてとシミュレーションしていた護身術を使い、

萌は痴漢の腕を掴み、腕を捻り上げた。




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