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愛憎
第13章 怒り
「いでででででで…」

振り向いた先にいる人物。

それはやっぱり誠だった。


「…やっぱりまこちゃんだったのね…」

車両に全く人がいなくて助かった。
誠と萌の二人しか、今車両にはいない。

萌は怒りに燃えながら、誠を睨み付ける。

誠は


「あの…っ!
その…っ!
えっと…っ!」


とワタワタしている。

そんな誠の様子に、萌は悲しく思いながら

「なんで、こんな事したの?!
なんで、脅して、こんな風にして、何が目的だったの?!」

誠を問い質す。


誠はそんな萌の問い質しに俯きながら

「萌…。ちょっと次の駅で降りようか。公園、隣にあるし、その時話そう?」

「分かった」


その萌の答えに、誠はローターのリモコンをカチリ…と完全にオフにした。



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