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愛憎
第14章 涙
「わかった。コーヒーね。」

ゆうは言い、ドリップコーヒーにお湯を注ぎ始める。

ここの養護教諭とは茶飲み友達で、空き時間が来たら、たまに保健室に来て、養護教諭と話をしていた。


コーヒーの良い香りが漂い始めた頃、泣きじゃくっていた萌は落ち着いたようだ。

「はい」
と、ゆうはコーヒーの入ったカップを萌に渡す。

「ありがとう」

そう言って、ブラックで萌はコーヒーを飲み出す。

「萌ちゃん、ブラックでコーヒー飲めるの?!」
と、驚いていると、

「うん。友達と良くケーキ食べに行くんだけど、紅茶よりコーヒーの方が私には合うみたいで。
ケーキにも糖分入ってるでしょ?
太るの嫌だから、ブラック飲んだら、思いの外美味しくて、飲めるようになっちゃったの。」


「へぇ〜」
(あの、小さかった萌ちゃんが…)
と、一人でジーンとしていると、萌は続ける。


「まこちゃんも驚いてたんだよ、中学校の時。
そしたら、私の真似して、まこちゃんも飲み始め…た…」

またポロポロと泣き出す萌。

どうやら、今、「まこちゃん」が、萌を泣かせる原因になってるらしい。

そう察知したゆうは

「萌ちゃん、まこちゃんとなんかあった?」

と、聞いた。


萌はみるみる涙が溢れてくる。
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