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愛憎
第16章 思惑
ピンポーン。

家のインターホンが鳴る。

(来た来た来たっ)

ドアを開けると

「やっほー!」

と、ショートカットの誠に似た女性が現れた。

誠の姉、優衣子だ。

「あー!ゆいちゃんだぁ〜」
と、雪香が優衣子に駆け寄って来た。

優衣子は雪香を抱き上げ、

「雪ちゃん、また大きくなったんじゃなーい?」
と、雪香に言う。

「うん!雪ちゃんもう3歳だもーん!」

と、雪香は優衣子に言われた言葉に喜んでいる様で、キャッキャとリビングに来た。

澤村は優衣子に

「どうも」
と挨拶をする。

優衣子も

「お久しぶりです。澤村先生!」

と挨拶していた。

ゆうは台所で三人分のコーヒーと、雪香用のオレンジジュースを用意し、
「優衣子、今日ありがとう〜」

と、リビングに入って来た。


優衣子は
「いやいや、なんか、うちの誠が良からぬ事をしたみたいだから、こっちが謝りたいくらいだわ」

と、ゆうに言った。


冒険小僧のふわふわした誠少年が、思春期になり、少し軽くなってから頭が下がらない唯一の人物が優衣子だった。

それをこの間、聞いていたゆうは、

これは優衣子にも協力してもらおう!と考えたのだ。
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