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愛憎
第16章 思惑
「それでね、萌ちゃんが昨日、痴漢しようとしたまこちゃんの腕捻りあげて、ようやく、痴漢がまこちゃんって知ったみたいなの。」

「へぇ〜やるわね、あの子。」

優衣子は感心したように言う。

「なんか、多分それが原因だったと思うんだけど、今萌ちゃんの成績が下がっていてね。
一応、期末テストの順位を上げる様に指令したわけ。」

健太が戻って来た為、話に加わる。

「それ誠に手伝わせれば良いんじゃないのか?」

「だよね!そうだよね!」

ゆうと健太の会話に、優衣子は

「ちょっと待って?」
と、止める。

「萌ちゃんは誠が痴漢って知って、どう思ってんの?」

「信頼してたけど、信頼出来なくなったって言ってた。
好きとか嫌いとかもわかんないって。」

「そんな状況なのに手伝わせるの?」

「これがまこちゃんの試練、その1なのよ。」

「まず、痛い目合わせてやらないとな。」

「まぁそうだよね。誠のせいで成績下がったんなら、誠に責任負わせるか。で、試練2は?」


「こないだ、ふらりと、職員室来たのね。
それでまこちゃんが…」






「…はっ?!つぅか、こっち全然なんも聞かされてないんだけど。」

優衣子も怒りがこみ上げて来た様だ。

「そんな訳で、明日、私たちでまこちゃんと話をする事になってんだけど、協力してくれるよね?」

「勿論だよ!家族抜きにそんな話勝手に進めるなっつの!
しかも痴漢して!」

「逃げるのを阻止しないとな…」
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