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愛憎
第17章 課せられた試練
川中誠は金曜日の日、ゆうに指定された喫茶店に入っていた。

時計を見ると15分前。

(すごい緊張してる…どうしよ、俺…)

そんな事を思っていた。

それに…

ーー痴漢なんてしてないで真正面からぶつかりなさいよ!

金曜日に言われた萌の言葉が離れない。

はぁ…。

喫茶店に入って、何十回目になるか分からないため息を吐いていた。

(ホントその通りなんだよな…。好きなら好きって、ちゃんと言っときゃこんな事にならなかったのに…。)

そう思いながら、またため息。


萌の誠への信頼は地の底に落ちているだろう。

(明日どんな顔して、顔あわせりゃ良いんだ…)


そんな事を思ってると


「なーに、情けないツラしてんのよ」

ゴンと、後頭部に何か衝撃が走った。


声の持ち主は今日はここに来ないと思われていた人物。

「ね、ねーちゃん?!」

誠は慌てて振り向く。


「ピンポーン」

と言う優衣子の後ろには健太、ゆうが三人揃って来ていた。


(わっ?!これ、すっごいメンツ…でも確かにねーちゃんには言って無かったし…
話が伝わっていて当たり前か…)

誠はそう思った。



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